熊野探訪記2. 長尾美春桜(紀和町長尾)
「板屋五郎兵衛桜」を見た後訪れたのは、現在知られているクマノザクラの中で、もっとも人気があると言われる一本桜「長尾美春桜」。紀和町矢ノ川から育生町尾川に向かう県道40号線の道ばたにあり、駐停車できる路側帯があるので、車でのアクセスは容易。
花はやや色が濃いことに加え、四方に大きく枝を広げて手が届く高さで花を見ることができるのがいい。また、西側の斜面下部に杉が並んで立っており、背景となることで、花色がより鮮やかに見える。また、この杉は下から吹き上げる風を遮る防風林の役目もしている。
見学中、地元の人が現れ、しばらく桜にまつわる話を聞くことができた。観光資源として注目を集め始めてはいるが、行政の対応は地元民と比べて今一つだという。帰る間際になって越谷ナンバーの車が一台やってきて写真を撮り始めた。陸の孤島であっても遠くから人を集めることのできる存在は貴重だと感じた。