熊野探訪記3. 丸山千枚田(紀和町丸山地区)

クマノザクラの見どころを何か所か巡ったあと丸山千枚田に案内してもらった。ここも、生まれ育った新宮市からそれほど遠くなく、いつでも来れた場所なのにその機会がなく今回が初めての訪問だ。

丸山千枚田に関心を持ち始めたのは、定点観測を続けている友人がいると知ったときからである。棚田(千枚田)百選という言葉は聞いていたが、正直それほど深い関心はなかった。そして、山国である日本では貴重なコメ作りの手段であるという点が関心のポイントで、景色として考えたことはなかった。

何十年ぶりかで高校時代の同級生・八木氏と会い、カメラが趣味で熊野のあちこちの写真を撮り続けていると聞いた。中でも丸山千枚田には年に100回以上訪れるという。季節ごとに表情を変えることに興味が尽きないという。以後、撮った写真を提供してもらいホームページにアップしていくうちに彼のいうことが理解できた。

いずれ機会があれば案内してもらおうと思っていたのが今回ようやく実現した。子どものころを思い出すと、熊野川を渡って三重県側に来たのは、花火大会と海水浴くらいだった。いずれも海岸線だけで少しでも山の方に入ってきたことがなかった。車もなかったので、鉄道駅から歩いて行ける範囲だったこともある。記念に写真を撮ってもらっていると、滋賀ナンバーの車がやってきた。ドアが開いて出てきたのは総勢7人の同年代。写真を撮ろうとすると八木氏が撮りましょうとすかさず声をかけた。三脚を立て「両手を広げて、バンザイをして」とポーズをとらせる。慣れたもので、いつものことらしい。一行は大喜びで礼を言い次の目的地に向かった。

コーヒーでも飲もうかと言うので、喫茶店にでも行くのかと思いきや、キャンプ用の道具を取り出した。なるほど、用意周到!いつもこうやって楽しんでいるのだ!美味しいコーヒーをいただいて本日の予定終了となった。大満足の一日となった。感謝!

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