今日の散歩道(270)~アミガサユリ(網笠百合)

半日陰で湿気の多い土地の草むらで、「アミガサユリ」が、ひっそりと花をつけていました。

この植物は、中国東部の高原地域を原産地とする、ユリ科の多年草です。 中国では古くから薬用向けに栽培されており、乾燥させた球根(鱗茎)は「貝母(バイモ)」と呼ばれ、咳止めなどの生薬として利用されており、そのため別名で「バイモユリ」とも言われます。

日本には享保年間に薬用植物として幕府に献上されたものを、奈良県で栽培されたのが最初で、南北朝時代に南朝の皇居として、御醍醐天皇が住居としていた奈良県の賀名生(あのう)では、生薬用の原料として、今も梅林の周辺で栽培されているようです。

この植物が、今では一部野生化して西日本の所々で野生化しているのが確認されています。 春先につける、編み笠に似た、この地味な花は、花弁の内側には網状の斑紋が、確認できます。

山仲春男

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