春の多摩川

ようやく春が来たか。今年は１・２月に２０度にもなる日が何日もあったが、３月になっても一向に春らしくならなかった。でも、そろそろ春が来ても良い頃だ。
そう思って、多摩川の水辺に行ってみた。広い河川敷の中ほどに流れはあるが、その水はどう見ても黒く濁って見える。しかし、枯れた草で隠れたように岸辺の近くに細い流れができている。見ると、一部水草で覆われた流れは中央を流れとは全く違い驚くほど澄んだ水が流れている。どこかで一旦地中に浸みこんだ水が岸辺の砂地から何カ所もこんこんと湧き出していて、そこが起点となっている。細い砂を巻き上げても全く濁らず、きれいな水がその小さな流れを作っているのだ。行きつくところは、また元の濁った本流だが、それまでは川底が見えるほど澄んだ流れとなっている。そこには水草に隠れて何匹もの鯉が群れているが、その姿が岸辺からもよく見える。

（Henk）