フランスあれこれ104 アペリティフ(食前酒)
一般に食前酒と言えば食欲を旺盛にすると言われ、食事前の一杯と言われればそういうことかと一応納得するのですが、私はパリの経験でちょっと違った印象を持っています。
通常約束時間を守らないフランス人ですが、夕食の約束でレストランに行くとバーで既に一杯をやっています。結局私もそのアペリティフにお付き合いすることになります。ちょっとお喋りをしてテーブルについてやっとメニュを見て料理を注文するわけですが、料理に合ったアペリティフだったとは思えません。
さて最初のアペリティフは“キール”(kir)。黒すぐりのリキュール(蒸留酒)を白ワインで割ったものです。何度か頂いたことがありますが今一つ好きになれませんでした。先日このリキュールをサミットで発見、改めて一度味見をしたいとすぐに購入しました。ブランド名は“Le Jay”(サントリーが販売)でした。(右のボトルです)
もう一つよく目にしたのは“リカール”(Ricard)ですが、これはどうしても私には苦手でした。南仏の甘草を原料にしたアニス酒で、アルコール度が高いので水で割って頂きます。フランス人に言わせると何度か口にする度に好きになり、やがて病みつきになるそうでしたが信じがたい印象でした。このリカールもネットで購入が可能なようです。
これらの食前酒は常時カフェで飲んでいる人を見かけました。時には朝から続けてお代わりを注文している人もいる位です。やはり病みつきになっているのかと思います。年齢的には中高年に多かったと思いますが、勿論食前酒ではありません。
もう一つ思い出しました。まだうら若い女性がちょうど出勤時にカフェに飛び込んできて“アンデユミ・シルブプレ”(生ビールをお願い)と注文し、それを言葉通り一気飲みし、すぐに走りながら事務所に飛び込んで行きました。昨夜遅くまでの飲み過ぎか?それともこれが日常の習慣なのか?日本では想像も出来ない光景でした。