フランスあれこれ112 セーヌ川に架かる橋 =「ポン ・ヌフ(新橋)」
ポンヌフとはフランス語で“Pont Neuf”即ち新橋を意味します。現存するパリのセーヌ川に架かる橋では最古です。一体どういう事?と思われると思いますが、実は私も最初は同じ思いでした。今回古い旅行案内やネットを使って調べてみました。
セーヌ川の中州のシテ島、その西端(下流側)に架かる橋ですが、パリの石造では最初です。1578年に工事を開始し1604年に完成したと言われます。それまで橋は全て木造でしたが町の中心がこの辺りという事もあり何本も橋が架かっていたようです。ついでですがシテ島のシテ(Cite)は英語のcityですが意味としては城塞都市、或いは地域の中心などを意味しています。
完成当初は橋の上(特に円形に膨らんだ橋脚部分)には種々の露天商、歯科医、更には道化役者や大道芸人が集まって大変賑やかだったと言います。中州の先端部分でもありセーヌ川の下流の眺めが最高!もあって多くの人で賑やかだったと言います。
驚くべきことは車のない時代にもかかわらず歩道が整備されていたと言います。当時はせいぜい馬車か荷車程度、市街地でも歩道はなかったと言います。多分パリ最初の歩道だったかも?
ご存じのようにシテ島は中の島で右に右岸、左に左岸、即ちシテ島の両岸に二つの橋がありますが道は一本、双方の橋を併せてポンヌッフと呼ばれています。
現在パリのセーヌ川に架かる橋は全て石造りです。なぜこの橋が新橋なのか何となく理解はしますが、やっぱりいささかの不思議は残ります。