フランスあれこれ107 ペールラシェーズ墓地の想い出

パリにはモンマルトル墓地やモンパルナス墓地など名だたる墓地がありますが、一番大きな墓地で最古、ナポレオンの声掛かりで1804年にできたのがペールラシェーズ墓地です。この墓地に足を踏み入れて気が付くのは墓碑や墓標が大きく立派で、芸術的な彫像が多く、しかも文化、芸術、音楽、更には政治にまつわる多くの知名人が埋葬されていることです。年間の墓参、いやむしろ観光目的の訪問者が多く、その数は年間100万とも200万とも言われます。(ただし日本人は比較的少なく、ドイツやアメリカ人が多いと耳にしています)

以下はすべて約30年位前、私のパリ滞在中のお話です。

前にパリのカタコンブの話でも触れましたが、遺骨は抜け殻というのがカトリックの考え方です。すでにその心は天に召されたのです。火あぶりの刑は異教徒として、その心を抹殺ないしは否定するものです。その意味で、カトリックのフランスでは火葬場は必要ありません。パリでただ一か所、火葬場のあったのがこの墓地でした。昨今異教徒の移民の増加で火葬することが増えているようですが、私も2度日本人の火葬にお参りさせて頂きました。一度は南大西洋での日本漁船団船長さん、もう一度は一人旅の若い日本女性の事件のときでした。いずれも遺骨で日本へ帰国をされた次第です。

もう一つの想い出は、耳にしたパリ・コミューン最後の舞台がこの墓地の一角だったことです。1871年、わずか2か月の社会主義(あるいは共産主義)政府の最後の銃撃戦の後、残った数十名が一角の壁を背にして銃殺されたそうです。壁には銃の弾痕が補修されたあとがしっかり残っていて、その臨場感に正直私は心を打たれた思いをしました。

埋葬されている超有名人の名前を上げますと、(作家)バルザック、ヴィクトル・ユーゴ(画家)モディリアーニ、アングル、コロー、ピサロ(俳優)イヴ・モンタン(歌手)エディット・ピアフ、マリア・カラス(作曲家)ロッシーニ、ショパン・・・・・

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