今日の散歩道(264)~ユスラウメ

雨模様の朝、通りすがりの道でレンガ塀から顏を覗かせている果樹を目にしました、幼少時に特別な強い思い入れがあるもので、花の盛りは過ぎていますが、しばし足を止めて眺めました。 奈良県山麓の田舎で過ごした幼少時は、このユスランメ(郷里の呼称)の色ずくのが本当に待ち遠しかったものです。

春先に梅の花に似た白い花を、枝いっぱいに咲かせて自家受粉、梅雨の始めの頃に、真っ赤な1センチ位のサクランボに似た果実をつけ、学校から帰るとすぐに小さなザルを手に果実を摘みながら、口に含んで種を飛ばして味わった懐かしい想い出があります。

当時の郷里では庭木として植えているお宅が多かったのですが、昨今は見当たらず、たまたま都会の庭木で目にする機会が有り、昔の味わいを思い出して数個頂いて口にした事がありますが、酸味と水分は有っても、期待していた満足感とのギャップに驚き。

ユスラウメは、バラ科サクラ属の落葉低木、中国北部から朝鮮半島が原産地、江戸時代初期に日本に渡来したようです。

花言葉は「郷愁」、庭になった実を口にした幼少時のイメージに由来するそうで、共感を覚えます。

山仲春男

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