シンゴ旅日記インド編(その28)事務所こぼれ話の巻
会社で使うファイルをスタッフと一緒に買いに行きました。
10冊は必要でした。その店には在庫が3冊しかありませんでした。
『じゃ、とりあえず3冊買って帰ろう』
これが日本人の発想と思います。
うちのスタッフは違いました。
『在庫を仕入れてもらって10冊まとめて買いましょう。
そのほうが値引き幅が大きいのです。』
どうして、必要だから買うという発想がないのでしょうか?
結局その日は何も買わずに事務所にもどりました。
日本に一時帰国する前に妻や娘たち女性陣へのお土産を買い行きました。
お土産としたのはやはりパンジャビ・ドレスです。スタッフが同行してくれました。
お店の二階の商品売り場で商品を選びそれを持って一階のレジへ行きました。
同行したスタッフが言いました。『まだお金を払わないで下さい。』なぜ?
そして彼は誰かと電話をし始めました。
店の人は商品を一品一品レジで打っています。
スタッフが電話を終わり、レジの人と何か会話をしました。
そして請求書が来ました。少し値引きがしてあります。
店を出てからスタッフが言いました。
『この店のオーナーは私のおじさんの知り合いです。
通常は値引きに応じませんが、おじさんに頼んで安くしてもらいました。』
それが2%の値引きなのね。
そんなに沢山は買っていないけど、ありがとう。
10月に10日間ほど一時帰国でインドに戻りました。
帰って来てからなんとなく仕事をするリズムが違いました。
それはチャイ・ボーイが午前と午後に来なかったのです。
チャイ・タイムが無かったのです。
スタッフにチャイ・ボーイはどうしたの、体調でも悪いのと聞きました。
スタッフは彼が田舎に帰っているらしいと言いました。
数日してチャイ・ボーイが久しぶりに事務所に来ました。
アレッ、何か違います。髪の毛がなく、坊主になっています。
どうしたのと私がスタッフを通じで聞きました。
田舎のお寺に髪の毛を寄進して来たと言いました。
私ももう少し薄くなってきたら坊主頭にしようと思っています。
そして午後に事務所の外から太鼓の音とパチン、パチンという音が聞こえました。
何だろうと表に出ました。
一人の女の人が太鼓を叩き、上半身裸の子供が長いムチを体を巻くように強く振り回して歩いていました。
そのムチが最後に音を出すのです。
インドでは苦行者がいます。
サドゥと呼ばれます。
本物のサドゥもいれば観光地でお金目当ての人もいます。
見分けがつきません。
でも今回は明らかに見分けが付きました。
10ルピー(20円)渡して写真を撮らせてもらいました。
田舎町に一泊で出張するためうちスタッフがホテルに予約電話を入れていました。
『エッ、マダーム、なぜ一泊なのに二日分の料金を取るの?そんな話聞いたことないよ。』
『社有車のエアコンのガスが無くなったので充填に行ってきます。』
運転手が総務担当を通して私に言ってきました。
最近は朝晩の通勤時しか社有車を使っていませんでした。
それでエアコンが効いていないのをあまり気にしていませんでした。
毎朝の朝礼でスタッフ各人の一日の行動予定を発表するようにしています。
しかし、今朝の朝礼で車のガス充填の報告が総務担当からありませんでした。
私としてはスタッには計画を立てて毎日、毎週の仕事をするように言ってあります。
私は『急に言われても許可しません。計画を立ててやりましょう。』と伝えました。
『車のメンテ日誌はどうなっていますか?前回はいつ充填しましたか』と聞きました。
ガスの充填は今回が初めてとの返事でした。
私と営業スタッフは二日後に車で片道3時間掛かるムンバイに出かけることになっていました。
しかし、私は駄目と言った以上後には引けませんでした。
翌朝になって私は運転手に午後にエアコンの充填に行って来なさいと伝えました。
しばらくして運転手が報告に来ました。
業者は手一杯で今日はガスの充填が出来ないと言っていますとのことでした。
その次の日のムンバイ往復は熱いドライブとなりました。
ガスの充填はその週の土曜の半ドンの日に無事行うことが出来ました。今は窓を開けなくても良いムンバイ行きです。