しんごのキになる話② すごい植物たちの巻(落葉 その2)
オーキシンは葉の成長に大きく関わっているのです。
発芽して成長する植物は茎の先端にある芽(頂芽)が伸びていきます。しかし、頂芽だけでなくすべての葉っぱの付け根には側芽があります。
通常は頂芽だけが伸びていきますが、頂芽が動物に食べられたりした時は側芽が頂芽となって伸びていくのです。この現象は頂芽で作られるオーキシンという物質によって支配されます。そして、それを「頂芽優勢」と呼ぶのです。
離層ができる場所は植物によって異なり、一カ所とは限りません。
例えば、サクランボは花梗の先端と付け根の両方に離層ができます。
サクランボは本来、実と果柄の間の離層で離れる方が、鳥が実を食べやすく、タネを遠くに運んでくれるので子孫を増やすためには有利なのです。
しかし、ヒトは花梗付のサクランボを好むので食べられない花柄を残すように栽培してきたのです。
花梗とは花をつける柄(え)のことです。別名「花柄(かへい)」。種類によって柄の長短はさまざまです。
花から実になると「果梗(かこう)」に名が変わります。
ミカンやオレンジそしてカキなども果実とガクの間に離層があり、本来は実が熟するとガクを枝に残したままのガクなしミカンやカキができるのです。
しかし、これもガクなしのミカンやカキは市場価値がなく売れないので、ヒトはガクの離層を遅くするよう改良し育ててきたのです。
(落葉 その3 へつづく)