荻悦子詩集「樫の火」より~「終わりの夏」
終わりの夏 従妹はバッハばかり弾いていた 少し速いんじゃない 指が心持ちゆっくり鍵盤から離される 私は花瓶を持ち上げる シチリアのことはよく知らなかったが 波の中に島の形が浮かんで消えた 断崖の上に緑の土 […]
追憶のオランダ(22)古地図の話
オランダで蒐集したものが二つある。一つがアンティークタイルで、もう一つが古地図である。古地図と言っても17-18世紀につくられたエッチングで印刷された地図で、オランダの各都市がそれぞれ一枚の中に克明に描かれている。その多 […]
シンゴ旅日記インド編(その45)ワダパウの巻
インドにもマックやKFCが進出して来ています。 でも、この国には美味しいファースト・フードが沢山あるのです。そのうちの一つがワダパウ(Wada Pav)という食べ物です。私の住むマハラシュトラ州の特産です。 ワダはジャガ […]
新加坡回想録(4)資源を持たない国の悲哀
「増える国土面積」の記事でもお伝えしましたが、シンガポールという国は奄美大島ほどの大きさしかない島国です。国の発展・繁栄を目指すには当然何らかの産業を興していかなければなりませんが、国土が極端に狭いというハンディキャップ […]
荻悦子詩集「樫の火」より~「振り子」
振り子 ステンレスの格子戸が降りてきて、ベルが鳴り終わ った 居合わせた人たちは動きようがない 廊下の片側に扉が並んでいる 扉はみな閉ざされて いる フロアから内階段を降りた 踊り場をひとつ 経ると またフロアがあっ […]
追憶のオランダ(21)トイレ
ここ10年以上私はオランダに行く機会がほとんどなく、もしかするとオランダのことゆえ様子がガラッと変わっているかもしれませんが、私が住んでいた20年以上前に経験した昔の話をしましょう。 同じヨーロッパのなかでも、オランダの […]
シンゴ旅日記インド編(その44)アンボン事件の巻
インドは英国の植民地でした。しかしその始まりは17世紀から始まる東インド会社です。 東インド会社は英国の他にもオランダ、フランス、スウェーデン、デンマークなど欧州の各国にありました。 その西洋の諸国が進出して来る前の15 […]
新加坡回想録(3)増える国土面積
赤道直下の小さな島国であるシンガポールの大きさを形容するのに、昔は「淡路島」と同じくらいと言われました。独立の年1965年のシンガポールの国土面積は581.5㎢であるのに対し淡路島の面積は592.55㎢なので、この例えは […]
フランスあれこれ(15)私はアルザシアン
50年位前の話です。まだパリに赴任して暫く、フランスの北東部ドイツに近いストラスブルグの近郊に出張した時の話です。予定の時間より早く着き時間を持て余しました。田舎の小さな町で見物するところもなくどうしたものか考えあぐねた […]

