今日の散歩道(252)~ツクシ
厳しい冬が明けての幼少時、田舎育ちの私の楽しみはヨモギを摘んでの草餅、それとツクシの卵とじでした。 ツクシが顏を出す場所は毎年同じ場所に、大量に摘んで帰り時間をかけてハカマを除去したあと、亡母に渡して卵とじを作って貰ったものです。
先週種じゃが芋を植え付けに田舎に出向いた時に、ツクシを探してみたのですが、出ている筈の時期なのに、何故かまだ顔を出しておらず、まだ時期が早いのかと諦めて帰宅、それなのに吹田の街中の生垣で、既に盛りを過ぎたツクシが見つかりました。
黒い地下茎から地上に伸ばす「胞子茎」をツクシと呼び、春先最初にこれが地上に出てきます、ツクシの終盤に伸びて来るのを「栄養茎」と呼びスギナに成ります、従って写真のツクシは、もうそろそろ終盤の時期になっています。
漢字の「土筆」は、土に刺した筆の様な姿からついた名前で、「スギナ」の由来は葉っぱが杉を連想させ、最初に出て来るツクシが食用にされる事から「杉の菜」、それが和名スギナとなった説が有力の様です。 この植物は生命力旺盛で、深く根を張って蔓延った地下茎の完全除去は困難な厄介者でもあります、北半球の温帯地域に広く分布し、日本では全国に自生しています。
山仲春男