シンゴ旅日記インド編16 外国人登録の巻(前編)
インドに着任早々、外国人登録に行きました。そこは警察署でした。会社のスタッフが書類を準備し同行してくれました。
入り口で空港のようにボディチェックと名前の記帳があります。建物の中に入るとまず、人込みが目につきます。登録窓口は広いロビーを改造して作ったようなところです。
ロビーの手前半分は待つ人の列、そして奥半分が登録する窓口です。奥には長いカウンターが両側にありその壁側に係官がいます。
手前と奥の間はチェーンで仕切られていています。チェーンの所には係官が立っていて順番に窓口に行くようになっています。
待っている人は西洋人、東洋人それにインド人かパキスタン人かバングラ人か分からないような人達が大勢います。
日本の役所のように窓口表示も待ち番号札もありません。
登録手続きには『申し込み』、『登録確認』、『証明書発行』と順番があり、それぞれ窓口が違います。その順番の窓口がどこにあるのか分からない人たちがあちこちで係官に聞いています。
私の申し込みと登録はある程度早く終わり、次は証明書発行の手続きです。スタッフが私に椅子に座って待っていてくださいと言って、列に並びました。
そのカウンターは係官4名に対し申請者はその3倍くらいでカウンターに被さるようにしています。
列で待つ私のスタッフの前に居る人はチェーンから6名ほどになりました。しかしそれからは処理が後れているのかほとんど進みません。
時間がたって、やっと前が3,4人になった時スタッフはしびれ切らしたのか、前に人がいるのに列を飛び出し、チェーンをくぐって直接カウンターに行きました。それを見ていて私も椅子から立ち上がり彼を追っかけて行き、チェーンをくぐり彼の後ろに立ちました。
カウンターでは皆が押し合うようにして重なり、書類を手に持ち中の係官の目の前にぶら下げて自分の処理を先にしてくれと言い合っています。中には係官にどのように書くのか質問している人もいます。
係官は係官で作業しながら質問に答えています。それも複数の質問者に対してです。さすがに何十人もの人の話を一度に聞いたお釈迦様を生んだ国の子孫だと感心して見ていました。
しばらくしてうちのスタッフが差し出す書類を係官が受け取ってくれました。
そのまま手続きに入るのかなと思ったら、係官がスタッフに何か言いました。スタッフが後ろを振り向いて私に『申告者本人が書類を手に持って申請せよと言っています』とのことでした。
私は書類を受け取り、そのように指示した女性係官のカウンター越しに書類をぶら下げ、思いとは裏腹に、にこやかに作り笑いし待っていました。
すると、私の横で、女の人がその係官に向かって『。。。アンフェアー。。。』とか言っています。
うちのスタッフが列を飛び出した時に順番を抜かされたそうです。自分の方が早く来たのに、順番が遅くなるはおかしいと文句を言っているのです。
うちのスタッフは『他の人も彼女を抜かしていくので、先に行くよと言ったら、どうぞと言ったくせに、今さら文句を言うのはおかしい』と私に言い訳をしています。
結局その女の人が先行して手続きすることとなりました。
そして、並んで待っている私の横に東洋人がいました。タイ人でした。こちらで働いているようです。その会社はドイツ系ですが日本人のスタッフもいると言いました。お互いバンコクの方が手続きはスムースだねと言い合いました。
そうこうするうちに私の番となりました。
何年滞在するかと係官から聞かれました。
3年くらいと答えました。
たしか本社がその書類を作成して送付してあるはずなのにと思いました。その書類がないとのことです。それがないと証明書が発行できないのでそれを持って、明日また来いと言われて終わりでした。
私たちは3時前に来て、待たされてその時はすでに5時半すぎでした。
外に出てうちのスタッフが言いました。
『丹羽さんは、明日は、来なくていいです。書類だけですから。』
けれどその翌日になると、、、、、。
その話は次回に報告します。