追憶のオランダ(83)4月30日は女王の日
今は「昭和の日」と言いますが、はるか昭和の時代には4月29日は「天皇誕生日」と言っていました。オランダではその翌日の30日が「女王の日」で、祝日になっていました。この日には極端に言えばオランダの国中がオレンジ色一色になる感じで、いろいろなイベントなども催され、お祭り騒ぎで大いに盛り上がります。ご存じかもしれませんが、現在のオランダ王家はオラニエ公ウィレムから始まったことから、オレンジ(オラニエ)色が国を代表する色となっていて、サッカーなどスポーツでもオランダはオレンジ色のグッズを使って応援していますね。
オランダでは4月30日だけは誰もが好きな場所で自由に店を開いてもよく、小さい子供までが町中の道路沿いに好き勝手に陣取って自分がいらなくなったおもちゃなどを並べて店を開いています。日本の天皇誕生日とはだいぶ趣が違うなあと思いました。それで、4月30日というのはてっきり当時ベアトリックス女王の誕生日かと思ったのですが、実はそうではなく、その前のユリアナ女王の誕生日だったのです。また、ベアトリックス女王が即位したのが1980年4月30日でもあったことから、この日を「女王の日」としたようなのでした。その後、私たちが帰国してからのことですが、2013年にベアトリックス前女王の長男アレキサンダー王子が久々のオランダ国王として即位しました。そして、4月30日は引き続き「国王の日」とするはずだったようですが、たまたま彼の誕生日が4月27日ということで、これまでの4月30日に替えて、現在はこの4月27日を「国王の日(国王誕生日)」として祝日にしているとのことです。写真はwikipediaより。
まったくの余談ですが、むかし現国王が王子の頃、ロッテルダム市内の私どもが住んでいた所に程近いところの地名や国鉄・地下鉄の駅名に「Prince Alexander」という名称を付けられていました。だから、国王になったからにはそのままPrinceでもあるまいし「King Alexander」に変えるのかと思っていましたら、そうはせずにただPrinceだけはとって「Alexander」のみとしているようですが、まだまだなじみのあるPrince Alexanderの名称を使用しているところもあるようです。