熊野探訪記4. 大江桜が開花

板屋九郎兵衛桜、長尾美春桜と熊野市紀和町のクマノザクラの名所を見て廻り、その後、地元在住の大江氏宅にお邪魔した。今回の熊野探訪の一番の目的は、一にも二にもクマノザクラをこの目で見ることだった。

なかでも一番興味があったのは、大江氏が5年前に苗を購入し自宅の庭に植えたというその一本である。2018年に正式に桜の新種であると認定されたクマノザクラの苗が初めて発売されたときにすぐに購入したものだという。

花が咲いたと事前に聞いていたので、わくわくしながら見せていただいた。苗木が丸4年かけて生長し5年目に見事に花を咲かせたのだ。これを「大江桜」と名付けよう。見れば周りに何も遮るもののないとても広い庭で日当たりも抜群の環境である。

中心あたりには大きなサクランボの木が庭全体を見渡すように立っている。当日、野生のキジがやってきているのに出くわした。巣をつくりに来ているのか遊びに来ているのか、度々やってくるらしい。また一部には野菜畑があり自給自足もできるという。

植樹の成否には土壌と日当たりが大いに関係があると素人なりに思うが、元々熊野育ちのクマノザクラにとってここはすべての条件が合っているのだろう。このまま順調に育てば、いずれ立派な姿になり、名所のひとつに加わるかもしれない。

これまで桜に特別な関心があった訳ではないが、クマノザクラには特別な思いが沸き、何か親戚の子どものような気がしてならない。昨年春、私たちが特別な思いを持ってハイムに植えたクマノザクラも同じように育ってくれるだろうか。4年後に花を咲かせてくれることを願ってやまない。

 

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