人声天語8~難民選手団の入場

7月26日パリオリンピックの幕が切って落とされた。開会式が真夜中だったので、翌日、撮ったビデオを見た。さすがフランス、センスの良い演出が各所に見られたが、なかでも選手団入場が船で行われるとは前代未聞のことで私たちテレビで見守る観客を驚かせた。

選手入場の順番のルールは、トップがオリンピック発祥の地であるギリシャ、そして最後が開催国ということは知っている。あとはアルファベット順でその国の言葉による。さてギリシャに続く2番目の国はと思っていていると、現れたのは「REFUGEE」だった。

「REFUGEE」とは、自国を離れ、他国に避難している人々を指す言葉である。理由としては、戦争や迫害、天災などがある。国際法上、難民と認定されることで保護や支援を受けることができる。難民は自国に帰ることが危険であるため、安全な場所で生活を営むことを余儀なくされる。

『難民選手団』は、戦争や迫害などから逃れるため生まれた国や地域を離れて難民となったアスリートたちにオリンピック・パラリンピックへの参加の道を開こうと、2016年のリオデジャネイロ大会から結成されるようになった。選ばれたのは、イランやシリアなどの中東のほかアフリカ出身の選手など、12競技の36人で、前回の東京大会より7人増えこれまでで最も多くなった。

パリ大会で『難民選手団』の団長を務める、マソマ・アリザダさんは選手として参加した前回の東京大会の経験を踏まえ、「出身のアフガニスタンには困難がたくさんあったが選手団に選ばれたことでどんな夢も実現可能なのだと気付くことができた。パリ大会でも『難民選手団』は決して諦めないポジティブなイメージを示す」と話した。

国を追われた選手たちのこの行進(今回は船での入場)が、争いのない平和な世界への第一歩となることを祈ってやまない。

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