人声天語9~「ごめんなさい」が言えますか?

今日の主題は、昨日の記事の続編です。友人から教えてもらった新聞記事がとても身近で興味深い内容だったので取り上げました。

あなたは「ごめんなさい」が言えますか?

家庭内でのごく些細なことで言い争いがしょっちゅうあります。私は「ごめんなさい」がなかなか言えません。なぜなら、自分の主張が正しく、相手の主張が間違っていると思うからです。そして釈然としない気持ちがしばらく続きます。

つまり、お互いが自己を主張して自分は間違っていない、相手が間違っていると信じて、恥ずかしながら一歩引きさがるという大人の対応ができないでいます。

最近、新聞モニターへのアンケート結果を見て驚きました。「ごめんなさいと言えますか?」という問いに対して「はい」と答えた人が83%もいたことです。「はい」と答えた寛容な人の理由は次の通りでした。

・場が速やかに丸く収まる 1239
・自分にも落ち度があるはず 1111
・礼儀やエチケットの一環 802
・生じた問題への道義的な責任 695
・相手との関係を維持するため 532
・名を捨てて実を取る方が得 312
・周囲の人に好印象 151
・器の大きさを相手に示せる 134

たしかにそうであろうと思うことばかりです。しかし結局は、じっと我慢をして、自分を抑えて相手のことを慮った行動ができるかどうかにかかっています。言い換えれば、自己抑止力がどれだけあるかです。

謝罪が自分の過ちを認めて相手の許しを請うことだとすると、自分に過ちがあるとは思えないとき、 あるいは相手にも落ち度があると思うときは、ハードルの高い簡単にはできない行為です。にも拘わらず、このアンケートでは謝罪できると答えた人が83%もいました。成熟した大人の対応ができる人のなんと多いことか!

なかにはこんな男性(61)もいました。「私は自分が100%正しいと思っていても謝ることができる。どっちが正しかろうが早く進めたほうが得だから」。また別の女性(71)は「『負けるが勝!』夫と口げんかした時も先に謝ることで自分のネガティブな気持ちに決着をつけている」。

更に別の女性(72)はこう答えています。「まずは『ごめんなさい。』この一言で今までの人生を順調に生きてきた。よほど深刻なことでない限り、この一言で世の中うまく回る。プライドにこだわり、この一言を言えない人間は見苦しい」。見苦しいとまで言われています。

一方で、17%の中にいる人からは、アンケートに対して以下のような反対意見もありました。
「悪くなくても謝ることのできる人が立派な社会人だと言っているようでいらだちを感じる」
「とりあえず誤っておくという習慣がクレーマーを助長している」など。

まず、「ごめんなさい」が言えると答えた人が83%もいたということに驚きを感じました。一方で、自分が正しいと信じることを抑えてでも「ごめんなさい」を言うことが大人の対応であり、それができる人が器の大きい人間だとすれば、自分には今後相当な努力が必要だと感じた次第です。

あなたは「ごめんなさい」が言えますか?

(参考:9月6日付朝日新聞BE)

 

 

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