人声天語2~デジタルニュースは紙の新聞を駆逐する!
「人声天語」を始めました。この世知辛い世の中、天の声を待っていてもなかなか降りてきません。そこで、先に人声を発信することにしました。あとからまともな天の声が降りてくることを期待しながら・・・。 |
電車に乗っていると、だいたい80%以上の人がスマホを見ている。今の時代、スマホなしでは暮らしていけないかのような様子である。失礼なので横から除くわけにはいかないが、自然と見えてしまうものは仕方がない。というより、覗かれていることに全く気付かないほど集中している人が多い。
この現象を良い悪いで論じることは最早できない。昔のサラリーマンは朝の通勤時、新聞を小さく折りたたんで見るのが日課だった。出社してニュースを知らないと恥をかくことになったからだ。今の勤め人は、その新聞がスマホに変わっただけのことである。
中にはスマホで漫画やゲームをしている人もいるが、今回は話をニュースに絞ってみたい。スマホ(ネット)でニュースを見ると、トップニュースがあり、さらに政治経済、芸能スポーツなどジャンルごとに分かれており当然ながら新聞と全く同じである。特に若い世代は、ニュースはネットですませて新聞をとらないと聞く。気になったので少し調べてみた。
2022年10月時点のスポーツ紙を除く一般紙の総発行部数は前年に比べて約196万部(6.4%)減少の2869万4915部だった。10年前の2012年は約4372万部だったが、年々減少が続き、当時の3分の2以下の規模まで落ち込んだ。この5年間で失われた部数は1000万部。平均すると、毎年200万部ずつ減っている計算だ。もし今後もこのペースが続けば、15年後に紙の新聞は日本から消えてしまう勢いだという。
2022年9月、学生146人に「ニュースを知るとき、どのメディアを最も利用しているか」とアンケートしたところ、「インターネット」が112人(77%)で、「テレビ」が32人(22%)、「新聞」と答えた学生はたった1人だった。また、学生128人に「週3回以上、紙の新聞を読んでいるか」とたずねたら、「読んでいる」と答えた学生は4人(3%)しかいなかった。
新聞社もこの傾向は当然予測しており、紙の新聞に加えて既にデジタル新聞を発行している。紙の新聞を支えている高齢者と紙離れの大きい若い世代の両方に対応しなければならないので大変だろう。団塊の世代が90歳代を迎える15年後くらいには新聞はほとんどネット化していると思われる。
この流れを止められない理由のひとつに、新聞は検索ができないことがある。ネットでは、載っていないニュースも検索で調べることができる。また、昔、取り置きたい記事は切り抜いて保管しておいたものだが、ネットではアーカイブとしてのデジタル保存というかたちに変わった。やはり紙はデジタルにかなわないように思える。良い悪いにかかわらずネット社会は確実にやってきている。我々団塊の世代も、ネットは苦手と言わず対応せざるを得ないだろう。