スマホライフ39~認知症にマイクロチップ?

平均寿命の向上で人口に占める高年齢者(65歳以上)の割合が増加する少子高齢化が進行している。段階的に、総人口に占める高齢者の割合が7%超で「高齢化社会」、14%超で「高齢社会」、21%超で「超高齢社会」と推移していく。

 

日本の高齢化は世界に先駆けて進行しており、1970年に高齢化社会に、1994年に高齢社会に、2007年には超高齢社会に突入、2025年には高齢者の割合が30%にも達すると予想されている。それに伴い、介護問題や社会保障費の増加などさまざまな問題も深刻化している。

寿命が延びる一方で認知症という大きな問題がある。認知症の予防が研究されると同時に、認知症になってしまっても安全安心に暮らしたいという要望に応えるシステムの開発が進んでいる。手ぶらで出かけて、自宅の住所や家族の連絡先がわからなくてもSOSを発信できるという。

その方法は、手に長さ1.2cm直径ほどのチップを埋め込む。マイクロチップを人に使った最初の例は、1990年代後半の英国とされる。米国でも2004年にFDAが人間への埋め込みを認めた。埋め込みは、海外では注射器で行い、国内ではメスなど簡単な手術道具で小さな穴をあける。不要になった時は取り出せる。

情報を読み取るアプリが入ったスマホを手に触れるくらいに近づけると、登録した名前や連絡先、持病などが表示される。居場所は特定されず、内容はパソコンで編集ができる。さらに、カギ代わりにもできる。認知症になったとしても家のカギがないと探すこともない。

スマホの現在地情報機能で今いる場所を特定することはできるが、そのスマホの持参を忘れればそれができない。その点は、体の一部にチップを入れることで解消できる。一人歩きで迷った末に倒れてしまい身元不明のまま救急搬送されるケースも増えている。そんなときは、持病や普段使っている薬の情報などが分れば救命率が上がるだろう。

人間の体にチップを埋め込むなど倫理的にどうしても受け入れられないという向きもあろうが、それによって多くの人が救われるかもしれない。かくして、これまで想像もできなかったデジタル時代は着実にそこまでやって来ている。

 

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