手拭いの暖簾(20)花篭とかんざし
「ナツひとり 仲間由紀恵」 と染め抜かれた手拭い。興行の挨拶や部屋見舞いのお返しの為の別誂えの手拭いのようです。
どのようなのような道をたどって私の手元に届いたのでしょう。どこかに細い糸が繋がっていたのかも知れません。
華やかな美人の仲間さんにはぴったりの色と模様だと思いました。
並べて吊るのは?と思っていたところ立川の駅ビルでかんざしの図柄を見つけこれでヨシヨシと機嫌よくしていました。
舞台姿に日本髪に結った可愛い姿を想像していたのでした。でも後になって知り得ました。
ピンクと藍色の反対色で釣り合っているかに見えますが内容的には全くミスマッチでした。
でもこの2枚は好きな組み合わせなのです。
「ナツひとり」は平成17年NHKで「はるとナツ」として放送されたのを(涙ながらに食い入るように見たのを覚えています)、新橋演舞場で舞台化され、内容を変えて戦後を一人逞しく生きた女性の物語になっていたようです。
手拭いの図柄と舞台とはいささか異なる感じがします。
つらい戦争のお話ゆえに優しい女らしい花篭とピンク色に夢を求め、観客の気持ちを和ませたのでしょうか。
それを確かめる細い糸の繋がっていないのが残念です。
AZ