おぼろげ記憶帖 21~パリ革命 (1) パリ祭
1789年7月14日がバスチーユ広場襲撃で暴動のあったブルジョア革命。以後フランス革命記念日はフランスの建国記念日になりました。国歌の「ラ・マルセイエーズ」は革命歌でリズミカルな勢いの良い歌です。和歌を国歌に歌う静かな日本の君が代とは違い身体を動かし足踏みがしたくなるような歌です。どちらが国歌としてふさわしいのでしょうか?議論好きのフランス人と話し合ってみたら楽しいかも?と思います。
毎年その日は祝日で凱旋門のあるエトワール広場からシャンゼリゼ通りをコンコルド広場までパレードします。日本では華やかなお祭りと考えられてシャンソンの宴などがありますが、本来は国力を誇示する軍事パレードです。国を守る人たち、陸海空軍、騎馬隊、消防隊、山岳隊。外人部隊もありますがフランスの最高学府ナポレオンの創設したポリテクニック、国を作り町を作り、守る為の高等職業学校です。そこの成績が一番の人が先頭の旗手を務めることになっています。最近は女性も入学できることになり、小柄な女性が旗手であるのを見物してびっくりしました。時代が変わったのです。今すぐにでも戦いに行けるような行進です。空には何種類もの飛行機。トリコロールの赤、白、ブルーの色をはきながら三色機が飛び去ります。
実際に見物すると何とも言えない感動を覚え、長く心に残るのは私だけではないと思います。
1990年代の4年間はトロカデロ広場を過ぎるとエトワール広場に通じるアンリ・マルタン通りに住んでいました。パリ祭の朝6時頃、じわじわと地鳴りがして飛び起きるほどの不気味な体感です。ベランダから道路を見下ろす何とまァ~戦車が列をなしてゆっくりと進んでいるのでした。9時にスタートするパレードに走行距離は短く、時間はたっぷり。ベルサイユ宮殿近くの駐屯地から来たのでしょう。次の年からは戦車の通るのを心待ちにして贅沢な先取り見物をし、朝食を済ませ、脚立を持ってシャンゼリゼへ向かうことになっていました。このパレードが決して現実の戦争に使われることがないように一年に一度世界の平和を祈りながらの見物でした。夜は平和を感謝してのことでしょう。一晩中賑やかに飲んで食べて踊りあかすと聞いています。